歯がしみる・痛い時にはどうしたらいいの?原因と症状、治療法について解説!

歯が痛いときの様々な症状と原因

暑い季節になると、冷たい飲み物やアイスクリームなど冷たい食べ物を食べたくなりますよね。

一方で、寒い時期になると、温かい食べ物が欲しくなります。このような時に起きる歯のトラブルで多いものをいくつか挙げてみましょう。

歯がうずく感じがする

歯科医院を受診する際に多いお悩みの1つです。この「うずく」という感じは、別の言葉ではなかなか表現しにくいものです。「なんとなく違和感がある」と表現される方も多くおられます。この症状の原因として多いのは、虫歯が深くて歯の神経(歯髄)まで近い時、そして歯ぎしりや食いしばりなどで歯に大きな力がかかる時です。

冷たいもので歯がしみる

冷たい飲み物を飲んだり、食べたりした際に、ズキーンもしくはズーンとした痛みが数秒間持続することがあります。

この症状は、歯磨き粉のテレビCMや雑誌広告でよく見られる「知覚過敏」であることが多いです。歯磨きのしすぎ、加齢などが原因で歯ぐきが下がり、歯の根の一部が露出すると、冷たい刺激が歯の中の神経(歯髄)に伝わりやすくなります。

また、しっかり噛む習慣がある方は、歯が縦方向に割れたり、歯がすり減ったり、歯と歯ぐきの境目が欠けることがあります。それらの部分から冷たい刺激が歯髄に伝わることがあります。

甘いものを食べた時だけ歯が痛い

甘いものが大好きな方も多いでしょう。甘いものを食べた時に歯が痛むことを甘味痛と言います。前述の冷たいものがしみることと同様に、知覚過敏と同じメカニズムですが、一方で、虫歯があるというサインであることが多いです。虫歯の原因菌は甘いものを栄養源にしています。栄養源が豊富になると、活動が活発になりますので、痛みが出てくるというわけです。

噛んだ時だけ歯が痛い

食事をしたり、ガムを噛んだりした時に、歯に力がかかると痛いけど、噛まない時は痛くない、という方もよくおられます。

虫歯で痛いこともありますが、痛みのある歯に強い力がかかっている時も、噛んだ時の痛みが出てきます。いわゆる、突き指の状態、と同じです。

この背景として、かみ合わせが原因になっていることがあります。多いのは、歯の治療で被せ物や詰め物をしたことが挙げられます。

また、以前から前歯がかみ合っていない(開咬)という方は、奥歯(特に大臼歯)に痛みを感じることがよくあります。

そして意外と気づかないのは、歯ぎしり、食いしばりによるものです。寝ている間は無意識なので、本人に自覚症状はありません。しかし、家族や知人から「寝ている間にガリガリやってたよ」と指摘されたり、歯がすり減っていたりすることで気づかされる場合が多いです。この歯ぎしりや食いしばりのメカニズムはまだわかっていません。

最近問題視されているのは、日中の食いしばりです。Tooth Clenching Habit(TCH)といい、スマホを見るのに下を向く、ノートパソコンで作業をするため画面の位置がやや低い、といったことで、上下の歯が接触していることがあります。これも歯に負担をかけている1つです。

歯ぐきが痛い、歯と歯ぐきが痛い

歯周病が進行すると、歯を支える骨や歯ぐきにも影響を与えますので、歯ぐきが痛い、もしくは歯と歯ぐきが痛いといったことが起きます。

原因別の治療法はこれ

原因によって、その治療法は異なります。また1つではなく、複数の要因がかかわっている場合もあります。総合的に判断して治療を進めていきます。

虫歯の場合

これは、虫歯の治療を行います。虫歯の原因菌が神経まで到達している可能性があります。歯を保存できると判断した場合は神経を取る(抜髄)という治療になります。回数がかかりますし、最後は被せ物もしくは詰め物になります。また虫歯で歯の大半が侵されてしまっている場合は、抜歯も選択肢に入ってきます。

知覚過敏の場合

冷たいもので歯がしみる場合は、歯の表面をコーティングする処置を行います。1回では効果が得にくいこともあり、数回繰り返すこともあります。

かみ合わせの場合

痛みのある歯が少し高い場合、周囲とのバランスを見ながら削って調整します。開咬の場合は歯列矯正治療も検討してみましょう。

さいごに

歯の痛みは、患部を押さえたりすることができないため、とても耐え難いものです。またお口のトラブルである虫歯や歯周病は、痛みが減ったりすることはあるかもしれませんが、自然に治癒することはありえず、放置することでどんどん増悪していきます。

痛みの初期段階である「違和感」のうちに、歯科医院を受診して適切な治療を受けましょう。