歯の矯正で八重歯はどう治す?抜歯は必要?

  • 2023年1月23日
  • 2023年1月31日
  • 矯正

八重歯とは、犬歯(上の歯の前から3番目の歯)が他の歯に比べて、外れて生えている状態のことです。正面から見て目立つので、見た目を気にしている人は多くいます。また、見た目だけではなく、歯茎を傷つけたり磨きにくいことから虫歯や歯周病になりやすいです。八重歯を歯科矯正で治す場合、歯の本数を減らしてスペースを作る方法と、歯の大きさを小さくしてスペースを作る方法があります。

歯の本数を減らす抜歯矯正

まずは、歯の本数を減らす抜歯矯正から見ていきましょう。抜歯矯正は、犬歯を抜く場合と、犬歯以外を抜く場合の2つの方法があります。

犬歯を抜く場合

八重歯になっている犬歯そのものを抜く事は、少ないです。なぜなら犬歯は、他の歯に比べて根がしっかりしているので健康で長持ちする優秀な歯だからです。また、犬歯を抜いてしまうと長期でかみ合わせに不具合が生じて、他の歯の寿命が短くなってしまう可能性もあります。八重歯の重なりが強くてどうしてもスペースが確保できない、もしくは、歯茎の中に埋まってしまっている場合にのみ抜歯をします。矯正は、気になっている歯だけを直すのではなく、口全体のバランスや歯の寿命を考えて行う必要があります。

犬歯以外の歯を抜く場合

一般的には、犬歯の後ろの歯(前から4番目)の歯を抜いて、できたスペースに犬歯を誘導して八重歯を矯正します。歯を抜いて矯正するということに抵抗があるかもしれませんが、歯を抜かないで矯正をするとスペースがないので全体的に出っ歯になってしまいます。また、犬歯の後ろの歯は、抜歯をしてもかみ合わせへの影響がほとんどありません。根が短く抜歯も簡単なので、体への負担も少なく済みます。

歯を小さくする非抜歯矯正

八重歯の程度がきつくない場合は、非抜歯での矯正を行います。ただし、そのまま歯を並べようとしても歯を並べる隙間がなく、出っ歯になってしまうため、一本一本の歯を小さくして矯正します。前歯が並ぶ隙間を作るために、前歯の両サイドを0.25~0.5mmほど削って歯の並ぶ隙間を作ることを「スライス」と呼びます。「スライス」を行って歯を矯正することを「スライス矯正」と言います。

歯を削るというと驚かれるかもしれませんが、削るのは歯の表面、厚さ1.5mmあるエナメル質のうち0.25~0.5mmだけです。削るときの痛みもなく、削った面も滑らかに磨くため、そこから虫歯になるということもありません。

八重歯の治療方法について

上記の方法で、歯が並ぶ隙間を確保したら、次のいずれかの方法で全体の歯並びを整えます。

ワイヤー矯正

歯の表面にブラケットと呼ばれる装置をつけて、間にワイヤーを通して矯正します。スタンダードな方法のため、どのような歯並びの人でも対応できます。料金も他の矯正にくらべて抑えられます。金属色ではなく、白いブラケットやワイヤーを選ぶことで目立たないようにすることも可能です。

裏側矯正

表側だと見た目が気になる場合、歯の裏側にブラケットとワイヤーをつけることができます。見た目が気になる上の歯は裏側で、下の歯は表側というようにして、価格を抑えることも可能です。裏側に器具がつくので、慣れるまで痛みや話にくさを感じることがあります。

マウスピース型矯正(インビザライン)

マウスピース型矯正は、歯に器具をつけず、透明なマウスピースをつけることで矯正する方法です。取り外し式のマウスピースを一定の期間で交換していき、少しずつ歯並びを矯正していきます。マウスピースは透明なので矯正中ということは他人からはわかりません。すべての歯並びに対応しているわけではないので、注意してください。

まとめ

八重歯の矯正方法について取り上げてきました。八重歯をそのままにしておくと、見た目だけではなく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。八重歯の矯正は、八重歯自体の抜歯を行うケースは少なく、抜歯が必要であっても他の歯を抜くケースがほとんどです。

また、生え方によっては抜歯を行わずに矯正治療ができる可能性もあります。どのような方法になるかは、レントゲンなど各種検査をして診てもらう必要があります。八重歯の生え方や矯正方法について気になる方は、一度歯科医院に相談してみましょう。