どうして虫歯になるの?虫歯の原因とは
虫歯は、主に以下の要因によって引き起こされます。
口腔内の細菌
口腔内には様々な細菌が存在しており、その一部が虫歯の原因菌です。虫歯の原因菌は砂糖や炭水化物をエサにして、酸を生成します。この酸が歯の表面のエナメル質を溶かし、虫歯を引き起こす原因となります。
食事習慣
砂糖や炭水化物を多く含む食事は、細菌による酸生成を促進します。食事の時間を短時間で終え、適切に歯を磨き、口の中を中性に保つ時間が長ければ、虫歯の進行は防ぎやすくなります。
一方、頻繁な食事やおやつ、甘いジュースなどを長い時間にわたってダラダラ飲み食べし続ける習慣が続くと、口腔内が酸性になっている時間が長くなり、虫歯の発生リスクが高まります。
不適切な口腔衛生
適切な歯みがきが出来ていない、フロスの使用が不十分などの場合、食べかすや歯垢が歯の表面や歯と歯の間に残り続け、時間が経つと歯石化して、虫歯の発生を促進します。
口呼吸や乾燥
口が開いている時間が多くなる口呼吸や、唾液の分泌不足によって口腔内が乾燥すると、虫歯のリスクが高まります。唾液は虫歯の発生を抑える役割を果たすため、適切な唾液分泌が重要です。
歯の形や欠損
歯の形、歯並びの状態などによって、歯ブラシやフロスが届きにくくなっている場合や、歯が欠けたまま放置されている、過去に治療した詰め物が劣化して歯との間にすき間が出来ているなどの場合、細菌や食べかすがたまりやすくなり、虫歯のリスクが高まります。
これらの要因が組み合わさることで、虫歯のリスクが増加します。
家庭で出来る虫歯の予防、正しい歯みがきについて
家庭で行える歯みがきの正しい方法について説明します。
適切な歯ブラシの選択
歯ブラシは固すぎない柔らかめの毛先で、手にフィットするサイズを選びましょう。奥歯まで届きやすいヘッド部分のサイズが小さいものがおすすめです。可能であれば歯科医師や歯科衛生士のアドバイスに従って、ご自身の歯並び、口腔状況などにとって適切なものを選びましょう。
ブラッシングの角度
歯ブラシを歯と歯茎の境目に対して45度の角度で当て、歯茎と歯の間の歯垢を取り除きます。歯の表面、内側、咬合面(噛む面)をしっかりと意識してきれいに磨くようにします。
ブラッシングの圧力
歯ブラシを軽く使い、力を入れずに優しく磨きます。力を入れ過ぎると歯茎にダメージを与え、歯茎が傷付いたり、下がったりする、歯が長く見えるようになる可能性があります。
舌の掃除
歯みがき後に舌ブラシや舌クリーナーを使って舌の表面を軽く磨きます。舌には口臭の原因となる細菌や汚れがたまりやすいので、定期的な舌の掃除が重要です。
フッ素入り歯磨き粉の使用
歯磨き粉はフッ素を含むものを選び、適量を使います。泡立ちすぎないように注意し、歯みがき後は軽くすすぐ程度で口の中にフッ素を残すようにします。
歯ブラシの定期的な交換
歯ブラシの毛先が広がったり摩耗したりすると、効果的な歯みがきができません。毛先の状態をチェックし、1~3ヶ月ごとに歯ブラシを交換しましょう。
以上が基本的な歯みがきの方法です。
よくある歯みがきの誤解、磨いているつもりを防ぐ注意点
毎日欠かさず歯みがきをしているのに、何度も虫歯になってしまうと言う人は少なくありません。歯みがきをしたつもりでも、実際には磨けていない場合があります。
歯みがきに関するよくある誤解について説明します。
歯磨き粉を泡立てて、口の中を泡だらけにして満足していませんか?
歯磨き粉の多くにはミントなどの清涼感のある成分が含まれるので、口の中を泡だらけにすると、口がさっぱりしてきれいになった気分になる人が多いようです。
食べカスや歯垢は歯ブラシを当てて、しっかりブラッシングしないと落とすことは出来ません。泡が多いと口の外まで溢れてきて、ブラッシングしづらくなることもあるので、泡立て過ぎない様にやさしく、すべての歯を丁寧に磨くことが大切です。
歯の表面・裏面・咬合面を意識して磨いていますか?
大人の歯は、親知らずを含めると上下で32本です。それぞれの歯の表側(唇側)・裏側(舌側)・咬み合わせの面を意識して、1本ずつを丁寧にブラッシングすることが重要です。
磨き残しが起きやすい場所は、歯並びの状態や歯みがきの癖などで人それぞれ違います。歯科医院で検査をしてもらい、適切な指導を受けることで、特に意識して磨くべき箇所が分かります。
歯と歯茎の間、歯と歯の間を意識して磨いていますか?
歯と歯茎の間は、歯垢が溜まりやすい場所です。歯ブラシを当てる角度や強さを適切に調整し、歯と歯茎の間の歯垢を掻き出すようにブラッシングを行う必要があります。
また、歯と歯の間には物理的に歯ブラシの毛先は届きませんので、フロスや歯間ブラシを使用して、歯と歯の間の歯垢を取り除く事も重要です。
大事なフッ素を洗い流していませんか?
フッ素は歯の再石灰化を促す効果があるので、初期の虫歯の進行を抑えることが出来ると言われており、フッ素配合の歯磨き粉が人気です。
当然ながらフッ素は歯磨き粉に含まれていますので、丁寧にブラッシングした後も、口の中にフッ素をなるべく多く、長い時間残しておくことが大切です。
歯みがきのあとは、歯磨き粉の味がしなくなるまで何度も水で口をゆすぐ事が習慣化している人が多いです。それでは、大事なフッ素が口腔内に残らず、流されてしまいます。
歯みがきのあとのうがいは出来るだけ最小限にして、口の中にフッ素が残る時間をなるべく長く保つことが重要です。
さいごに
虫歯や歯周病は自覚症状が無く進行する病気なので、痛みや腫れなどの症状が出た時には、かなり進行している場合が多いです。また、風邪やすり傷・切り傷のように、放っておいて自然に治る事も無いですし、治療を受けても再発しやすい病気です。
毎日のホームケアを続けながらも、定期的かつ継続的にプロの検診を受け、適切なクリーニングや指導などを受けることが、生涯に渡って健康で快適な口腔環境を維持するのには欠かせません。
編集後記
編集後記では毎回、編集部のおすすめする全国の歯科医院さんをご紹介させて頂きます。
※本編とは直接関係ありません
聖司歯科は東京・杉並区、荻窪駅近くにあり、地域に根ざした安心の診療を提供しています。開業以来、全年齢層に対応し、院内はリラックスできる環境を心掛け、個室での診療を行います。インフォームドコンセントを重視し、セカンドオピニオンも受け付けており、患者様一人ひとりに合わせた細やかな対応をされています。