PMTCってなに?
PMTC(ピーエムティーシー)とは、歯科医師や歯科衛生士などの資格保有者が提供する、歯面清掃を指します。
Professional(専門家による)Mechanical(専用の機器を用いた)Tooth(歯を)Cleaning(磨く)の略語となっており、虫歯や歯周病予防を目的として実施されます。
歯面は、ペリクルと呼ばれる唾液由来の薄い膜で覆われています。ペリクルは歯の表面を保護する役割もありますが、お口の中に潜む細菌を歯面に呼びよせてしまいます。
さらに細菌の付着によってヌメヌメしたバイオフィルムを形成し、やがてその上に歯垢(プラーク)の層が形成されます。
歯みがきで歯垢は除去できますが、バイオフィルムを除去することは難しく、PMTCによる歯面清掃が有効になります。
PMTCでは、ラバーカップやアイプロフィーといった歯を磨く専用の機器や研磨剤を使用し、歯の表面を傷つけることなく、バイオフィルムなどを除去していきます。
バイオフィルムの元となるペリクルは、除去から3か月で新たに歯面に形成されるため、定期的にPMTCを行うことが推奨されています。バイオフィルムの形成を回避し、虫歯予防、歯周病予防へつなげていきましょう。
フッ素塗布ってなに?
虫歯予防に有効なのでが、フッ素塗布です。歯に塗布するだけなので、手軽に施術を受けられるのが特徴です。
また、フッ素は以下のような効果が期待できます。
歯質を強くする
歯の表面組織であるエナメル質は、カルシウム、リン酸、水酸基を含む、ハイドロキシアパタイトと呼ばれる物質で形成されています。人体の中でも最も硬い部類に入るハイドロキシアパタイトではありますが、虫歯菌が生み出す「酸」によって溶かされる性質があります。
フッ素を歯面に塗布することで、ハイドロキシアパタイトが酸に強いフルオロアパタイトへと変化していき、歯質が強くなります。
再石灰化の促進
虫歯菌が生み出す酸によって歯の表面が溶かされると、唾液に含まれるカルシウムやリンが、溶かされた歯を修復する作用が働きます。この働きを再石灰化と呼び、再石灰化が間に合わずバランスが崩れてしまうと、虫歯へと進行してしまいます。フッ素塗布を行うと、バランスが整えられ、再石灰化を促進する力が働きます。
虫歯菌の活動を抑える
虫歯菌は食べ物に含まれる糖分をエネルギーにして、酸を生み出します。フッ素はその働きを抑制する働きがあり、酸を作りにくくし、虫歯を予防します。
ブラッシング指導ってなにするの?
毎日の歯みがきが的確に行えているのか、行われていないのかで、お口の健康が左右されていきます。正しいブラッシング方法を身に着けられるように、以下の要点を抑えて、定期的にブラッシング指導を受けてみましょう。
自身にあった歯ブラシを選ぶ
歯ブラシのヘッド部分が大きいと、お口の中で動かしにくく、上手くブラッシングが行いにくくなります。なるべく小さめのヘッドを選びましょう。
優しい力で小刻みに歯ブラシを動かす
ゴシゴシ大きく歯ブラシを動かせば、汚れが効率よく除去できると考えがちですが、実は落としきれていないことも多くあります。歯ブラシは小刻みに動かし、歯を1本ずつ磨くようにしましょう。
歯と歯ぐきの隙間に毛先を当てる
歯と歯ぐきの間に毛先が入るように、斜め45度に歯面に当てながら歯ブラシを動かし、歯周ポケットに潜む汚れを掻き出していきます。
磨く順番を決める
適当に磨いてしまうと、どの部位を磨いたか分からなくなります。その結果、磨き残しが発生してしまい、虫歯や歯周病リスクが高まります。
歯みがきはただ行うだけでは、虫歯や歯周病リスクを回避できないので、正しく行うことが重要です。正しいブラッシング方法を身に付けましょう。
さいごに
歯は私たち人間にとって、なくてはならない体の一部です。末永く歯の健康を維持していくためには、正しいブラッシング方法を身に着け、フッ素塗布、PMTCといった予防処置を行うことが重要です。「虫歯になってから歯医者さんで治療してもらう」のではなく、定期的に検診をうけて予防していきましょう。