口内の腫れ物。そこに潜む危険信号。

  • 2023年6月29日
  • 2023年6月29日
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近年、世の方々の口の中に対する意識は高くなってきています。ドラックストアに行けば、多く陳列された歯磨剤や歯ブラシ、うがい薬やその他補助用具など、どれを使えばいいかわからない。と悩んだ事がある方は多いのではないでしょうか。

毎日歯磨きをしていても、トラブルは起きます。実際、車で走っていてもあちこちに歯科医院を見かけると思います。それだけ意識が高く、需要があることを物語っています。

今回はそんなトラブルの中でも「腫れ物」について説明していきます。

口内炎だけじゃない?口の中の腫れ物について

みなさんご存じの口内炎。一度できると食事の度に傷み、辛い思いをしたことがある方は多いと思います。ではこの口内炎はどうしてできてしまうのか。    

理由はいくつかあり、銀歯などの被せ物や入れ歯、歯そのものがザラついていて刺激を与え続ける事によって、舌などにできます。そしてヘルペス、手足口病、ヘルパンギーナ、帯状疱疹などのウイルス感染によってできることもあります。     

口内炎は口の中の軟組織、例えば歯茎や頬粘膜、舌の下や口蓋などどこにでもできる可能性があります。普段から免疫力をつけ、口の中を清潔に保つことが予防策です。あまり症状が辛い時は歯科を受診して軟膏やうがい薬を処方してもらうのも良いでしょう。歯の症状でなくても、口の中のトラブルであれば歯科で大丈夫です。

また、口内炎とは違うけど何かできている。口内炎だと思っていたら違った。という場合もあります。

 

一つに白板症があります。腫れ物とは少し違いますが、粘膜に白っぽい膜のようなものができ、拭っても取れないのが特徴です。また痛みが出ることが少ないので放置してしまう方が多いと思います。

これも口内炎同様に機械的刺激でできたり、タバコやお酒などの生活習慣からできるとも言われています。

また白板症はガン化する可能性があるため、白っぽいものを見つけたら受診してみるのが良いと思います。

もう一つは粘液嚢胞です。粘膜にはたくさんの唾液腺があり、それによって口の中の潤いを保っています。その唾液腺をなんらかの理由で塞いでしまうと唾液の出口がなくなり、腫れ上がってきます。

自分では気づかないうちに、粘膜を噛んでしまったり、普段から粘膜を噛むくせがあったりすると出来ます。自然と小さくなって消失する場合もありますが、2週間以上変わらなかったり、何度も繰り返すようであれば切除してもらってもいいでしょう。

口腔ガンって?どんな病気?

先ほどの口内炎の章でも触れましたが、口腔ガンと聞いたことがある方はいても、

じゃあ実際どうなったらガンなの?口内炎との見分け方は?と疑問をもつと思います。

口の中は自分で見て発見できるため、早期発見しやすいと言えます。普段から鏡で確認することが大切になってきます。

先ほどの白板症は白い膜だったのに対し、粘膜に赤い部分がある紅板症というものがあります。この紅板症は白板症よりもガンになる可能性は高く注意が必要です。

口内炎とは違って赤い部分の境目が不明瞭、モヤモヤしていてはっきりしないというのも判断基準のひとつになります。

こちらは触れると痛みがあったり、食事でしみたりする場合もありますので、口内炎が大きい、いつまでも治らないと感じたら早めの受診をおすすめします。

そこで口内炎だと診断がでたり、薬で改善したのであればひとまず安心です。ガンであれば軟膏やうがい薬で消失することはありません。

こちらも原因は同様に機械的刺激や生活習慣などの物理的刺激です。もちろん遺伝的なこともありますので、かかってしまった方全てが同じような食生活という訳ではありませんが、生活の見直しをすることで防げる可能性はあります。

また、人によって口腔習癖がありその癖によって白板症のような症状だったり、何かわからないけど何か変!と言って受診される方もいます。

ストレスなどによって舌を歯に強く押し当てたり、元々舌が大きかったりすると、舌が歯の内側に収まり切らずに舌に波打つような跡が出来たりします。

自分では気づかないうちに口の中で頬の粘膜を吸い込むようにしたり、爪を噛むような感覚で粘膜を噛んでみたり。様々な癖があります。この場合は白板症と似たような症状が出ることもあるため心配になって受診する方もいます。

これらを踏まえて、普段からかかりつけの歯医者を作り、定期的に健診にいくことで早期発見に繋がります。また、いつも同じ先生にみてもらうことで顔を覚えてもらう事に加え、口の中の些細な変化にも気づいてもらうことができます。

ガンかも?!口の中の気になる症状は何科に行けばいい?

コンビニの数より多いと言われている歯科医院。どこに行ったらいいか迷いますよね。

定期的に通うことを前提とすれば、自宅から近くて通いやすい。休日や時間帯が自分の生活スタイルと合っている、または先生との相性もあると思います。

ただ、口の中になにかいつもと違う腫れ物ができている。口内炎だと思っていたけどなかなか治らない、と心配になったらどうしたらいい?ガンかもしれないと思い始めたら、1日でも早く診断して欲しいですよね。

そういう時は、まずかかりつけの歯医者があればそこに相談してみましょう。先ほどお話したように、普段から口の中をみてもらっている歯科医であれば変化には気づくはずです。また体全体の病歴だったり飲んでいる薬だったり、過去のカルテがあるので一から調べる必要がありません。

もしそのかかりつけ医が一般歯科だったり、口腔外科でなくても大丈夫です。

精密な検査が必要だったり、自分だけでは判断しかねない物であれば急患として総合病院であったり、外科を専門とする歯科医に連絡をとってくれます。

そう言った意味でも、いつもお世話になっているかかりつけにみてもらうことが近道です。初めて連絡する歯医者に心配だから早くみてください!とお願いしても、今日はいっぱいなので・・・と断られてしまうことも少なくはありません。

さいごに

口の中のトラブルに限った事ではありませんが、全ての病気は早期の治療が回復への近道です。特に働き盛りや子育てに忙しいお母さんは検診やメンテナンスにいく時間も惜しい気持ちはすごくわかります。

ただ、その一手間で大きな疾患を防ぐことができたり、安心して日常生活を送ることができるのであれば、働くことが出来なくならないよう、大事な子供たちとの時間を過ごすために是非、検診を習慣化したいものですよね。