なぜ夜だけ歯が痛い?問題の原因と4つの対処法

夜に歯が痛む原因とは?

日中は何も感じないのに、夜になると歯が痛くなったという経験はありませんか?
実は、夜だけ痛む原因には理由があるのです。
では、どうして夜だけ痛むのでしょうか?
その理由を3つ説明します。

1.血流が原因で痛みが出る

日中の活動時期は、立っていたり座っていたりすることが多くなります。
この時点で、頭は体の最も高い位置にあるため、血流が上のほうへ流れることはありません。
ですが就寝時は横になるため、頭の位置が心臓と同じ高さになります。
そうなると頭部に血流が流れ、神経を圧迫して痛みが出やすくなるのです。
それだけに限らず、飲酒や入浴でも血流がうながされることから、痛みにつながる可能性が増してしまいます。

2.副交感神経による血管の広がりで痛みが出る

夜は、自律神経の1つである副交感神経が優位な状態になります。
体がリラックスすると同時に、血圧が下がり、血管が広がるといった働きがあるため、血流も増加してしまうのです。
そのため、夜になると歯が痛むといった症状が起きてしまいます。

3.筋肉のしこりによって痛みが出る

口の周りにある筋肉は、疲れやストレスが原因で凝り固まり、しこりをつくる場合があります。
このしこりに、ものを噛むなどの刺激が加わると関連痛が現れるようになり、まるで歯痛のように感じられるのです。
このしこりはトリガーポイントとも呼ばれており、体のあちこちにもできやすいことから注意する必要があります。

痛みの原因になる口の中の問題とは?

では、ここから歯の痛みの原因となる口の中の問題について4つ紹介します。

1.歯髄炎

虫歯がキッカケで起こる歯髄炎とは、歯髄が細菌感染を起こして炎症する状態を示します。
歯髄には神経や血管があるため、炎症が起こると血流が増えて神経を圧迫してしまうのです。
そうなると、ズキズキと脈打つような拍動痛を感じるようになります。

2.根尖性歯周炎

根尖性歯周炎は、細菌感染によって神経が死んでしまい、歯の根元が炎症を起こしている状態をいいます。
虫歯が原因で起こりますが、歯の痛み自体は感じられません。
歯周炎と呼ばれることからも、歯の周りの組織や骨に炎症が伝わるため、激痛を伴うことが多くあります。

3.咬合性外傷

朝起きたとき、顎が疲れているような感覚がありませんか?
咬合性外傷は、就寝時に歯ぎしりや食いしばりが原因で歯周組織に炎症が起こる状態をいいます。
無意識のうちに自分の体重以上の力がかかるため、歯根膜に炎症が起こりやすいことが原因です。
痛み自体は、噛んだときに起こる一過性のものが多いといわれています。

4.歯のヒビ

咬合性外傷や外部からの大きな衝撃によって歯にヒビが生じると、その隙間に細菌が侵入して感染を起こす場合もあります。
そうなると歯髄炎を引き起こしてしまうため、夜間に痛みが出てしまうのです。

自分で出来る対処法とは?

夜に突然、歯が痛くなったらどうすればいいのでしょうか?
夜間なので、かかりつけの歯科医院を受診することは難しいと思います。
ここからは、自分でできる対処法について4つ紹介しましょう。

1.市販薬を服用する

かかりつけの歯科医院から処方された薬がないときは、市販薬の鎮痛剤を服用してみましょう。
効果・効能を確認して「歯の痛み」と記載があれば、痛みを緩和してくれる効果が期待できます。

2.患部を冷やす

どうしても歯が痛いときは、患部を冷やしてみることをおすすめします。
直接冷やすことは避け、頬側に濡れタオルや解熱シートなどをあてるといいでしょう。
患部が冷えると血流が下がるため、痛みの軽減につながります。
ですが、虫歯や知覚過敏によって痛みが出る場合もあるため、注意が必要です。

3.体を起こして姿勢を変える

痛みの原因でも述べたとおり、夜に歯が痛むのは頭部まで血流が及んでしまうからです。
そうなった場合、ゆっくりと体を起こして姿勢を変えることで痛みが和らぐことがあります。
少し落ち着いてきたと同時に、痛み止めを服用するといいでしょう。
眠る場合は、枕をやや高めに設定して横になってください。

4.軽くマッサージをする

痛みの原因が筋肉のしこりにある場合は、口の周りの筋肉を軽くマッサージすることをおすすめします。
2分間ほどマッサージをすることで筋肉の緊張が和らぎ、効果的です。
ですが、もし痛みが出るようなら直ちに中止しましょう。

さいごに

最後に、痛みや違和感など自覚症状がある場合は、なるべく早く歯科医院を受診するようにしましょう。
虫歯や歯周病は、どちらも初期段階ですと自覚症状がほとんどありません。
症状が出始めるころには、すでに進行しているケースが多く目立ちます。
ここで紹介した対処法は、一時的な痛みの緩和です。
風邪や擦り傷のように放置しても自然に治るわけではないことは、あらかじめ理解しておきましょう。
また、症状が進行するほど治療代や期間もかかります。
そして、必ず元通りに治る保証はありません。
そのため、少しでも自覚症状があれば早めに治療することが大切なのです。