白い被せ物が最短1日で出来る?CAD/CAMシステムとは?
歯科に通院していると感じる、通院の長さや回数の問題。
おそらく歯科に通院し、歯に詰め物や被せ物を入れる事を経験した誰もが、被せ物や詰め物が出来るまで、こんなに待たなければならないの?と疑問に思ったことがあると思います。
保険診療の詰め物や被せ物に比べて、自費診療の白い歯は、歯科技工所で製作されてから、歯科医院への納品までに、さらに時間がかかります。
ですが、数年前より、ある歯科機器の導入で、その長かった納品期間の悩みを解決出来るようになったのです。
平成26年から日本の歯科医療に保険導入をされた、CAD/CAMシステムを用いた
『CAD/CAM冠』をご存知でしょうか? そちらで活用されているCAD/CAMシステムについて、詳しくご説明をしていきます。
歯科治療におけるCAD/CAMシステムは
CAD⇨設計支援(主にコンピュータ上のソフトで歯の形をデザイン、設計すること)
CAM⇨製造支援(切削する機械で、歯の形を機械で削り出し、製造すること)
ということになります。
1日で出来る白い被せ物は、保険診療の範囲外となりますので、自費診療扱いとなります。こちらのCAD/CAMシステム(セレックなど)を使用し、白い歯の製作を歯科医院内で1日で完結させます。
〜1日で出来る白い歯の製作手順〜
1.型取り(担当:歯科医師)
口腔内スキャナーを使用し、光学印象と言って、歯の写真を細かく何枚も撮影し、データ化することで、デジタルで歯の型取りをしていきます。
従来の、柔らかくて冷たい型取りの材料(印象材)は使用しませんので、型取りに抵抗のある方には、とても気楽にデジタルの型取りが出来ます。
2.被せ物や詰め物を設計する(担当:歯科医師、歯科技工士)
デジタルで型取りしたデータが、PC内のCADソフトに反映されるので、そこに歯の詰め物や被せ物の形を設計していきます。
3.削り出し(CAM機械)
デザインが終わったら、歯科医院内にある、専用の機械で白い歯の削り出しをしていきます。
4.完成、口腔内に詰め物を接着(歯科医師)
削り出しが終わり、詰め物が完成したら、いよいよ最後の工程です。
お口の中に、詰め物や被せ物を接着して、噛み合わせを修正して治療が終了です。
従来の方法との違いは?
従来の方法は、白い歯を製作するのに、時間がかかっていました。
その理由は、
『歯の型取りから、完成までの工程がとても多いから』です。
工程数を書き出して行きます。
1.歯の型取り
↓(歯科技工所へ送り出す)
2.歯型に石膏を流す(セラミックの場合は、歯科医院より歯科技工所で行うことが多いです)
3.石膏で作った歯の模型を製作する
4.歯科技工所で模型をスキャンし、CADソフトにデータとして取り込む
5.CADソフトで歯の詰め物や被せ物の設計をする
6.データをCAMソフトに送りセラミックのディスクから歯の形を削り出す
7.削り出した後に、焼成し、セラミックを焼き固める
8.焼き上がったセラミックに歯のリアルさを出すために色付けをする
9.色付けし、焼き上げる工程を何度か繰り返し、艶出しをする
10.石膏模型に完成したセラミックを戻し、噛み合わせなどの調整をする
11.完成後、歯科技工所から歯科医院へ送り出す
12.歯科医院へ到着
このように、口腔内スキャナーを使用した型取りと、従来の型取りの方法では、こんなにも工程数が変わってきます。
保険診療で白い歯を手に入れられる場合も!
1日で出来る白い歯についてお伝えしましたが、自費診療なので簡単には手が出せない、少し悩んでしまうという方も、少なくないと思います。
実は、保険診療でも白い歯を手に入れることが可能です。
CAD/CAM冠と言って、CAD/CAMシステムを使用して製作する白い歯なのですが、
こちらは、1日で出来る白い歯とは材料の性質が違い、樹脂にガラスセラミックを混ぜて強度を持たせた物になります。
審美性にこだわる方には向いていませんが、保険診療の従来の詰め物や被せ物は銀歯と言われる金属でしたので、金属アレルギーが心配な方、お口を開けた時に金属色が見えたくない、という方にはおすすめです。
さいごに
ここまでお読みいただいて、1日で出来る白い歯について、より詳しくお分かりいただけたのではないかと思います。
長い期間、治療に通う事ができない、人前でお口を開けるのが苦痛だ、1日で治療を終わりにしたい!と思っている方は、
1日で白い歯になれるセラミック治療が出来るシステムを導入している歯科医院をお探しすることをオススメします。
保険でも良いから白い歯にしたい、と思っている方は、今すでにお口の中に銀歯が入っている箇所をCAD/CAM冠に変えて、白くする事も可能です。(各種条件ありですが、一番奥の第二大臼歯以外はほぼCAD/CAM冠治療が可能です)
CAD/CAMシステムを導入している歯科医院に相談することで、ご自身に合った、負担の少ない解決方法と、より良い治療方法が見つかるかも知れません。