そもそもジルコニアって何?
ジルコニアという言葉をなんとなく聞いたことはあるものの、そもそもジルコニアって?という方は多いのではないでしょうか。ジルコニアはセラミックに分類される素材です。歯科治療以外にも包丁や機械の部品などに使用されています。セラミックは食器などにも使われる陶器で作られています。しかし、金属と違って割れやすいという欠点がありました。そのため、歯ぎしりがある人の場合、セラミック治療をおすすめできませんでした。ジルコニアはセラミックの欠点ともいえる脆さを改善した強度のある素材です。歯科治療では見た目でも強度の面でも優れた素材として使用されています。
気になるメリットとデメリット
ジルコニアはセラミックの欠点を改良した素晴らしい素材でメリットしかないのでは?と思われるかもしれません。そこで、気になるジルコニアのメリットとデメリットをご紹介します。
ジルコニア5つのメリット
【1】虫歯の再発を防止
まずは虫歯の再発防止性に優れているということです。保険診療の白いレジン素材は水分を吸う性質があるため、汚れが残りやすくなります。一方、ジルコニアは汚れがつきにくいため、虫歯の再発もしにくいという特長があります。
【2】高い審美性
ジルコニアは見た目がよく、天然の歯と見分けがつかないほど審美性が高い素材です。保険診療のレジン前装冠という前歯の治療法は金属の裏打ちがあるため、透明感を出すことができません。一方ジルコニアは透明感を出すことができるため天然の歯と変わらない、もしくはそれ以上の自然な白さを出すことができます。
【3】メタルフリー
体に優しいメタルフリーを実現しています。金属が口腔内にあると、何年も経ってから金属アレルギーの症状が出ることがあります。対してジルコニアは生体親和性が高く、金属アレルギーの心配がありません。
【4】強度・耐久性の高さ
今までのセラミックは金属素材と比べて審美性は高いものの、強度が弱いといったデメリットがありました。一方、ジルコニアはその弱点が改善されているため、割れてしまうといったリスクが低いです。
【5】適応範囲が広い
セラミックの場合、強度の問題で奥歯には適応できないといった問題がありました。しかし、ジルコニアは強度が高いので奥歯にも適応が可能です。またブリッジ治療にも適応できるため、幅広い歯科治療に使用可能です。
ジルコニア3つのデメリット
素晴らしいジルコニアですが、もちろんデメリットもあります。
【1】歯を削る量
第一に知っていただきたいのが、歯を削る量が金属素材に比べて多くなるということです。金属は薄くても強度がありますが、ジルコニアは強度が高くなったといはいえ、厚みがないと割れてしまうリスクがあります。
【2】修理が難しい
陶器のお皿と一緒で一度割れてしまうと、割れた部分から再度割れやすくなってしまいます。強力な接着剤でつけたとしても、割れた部分は弱くなるため、汚れがつくと虫歯になりやすくなります。修理が難しいので割れてしまった場合は、再度作りなおすことが多いです。
【3】治療費の高さ
保険適用ではないので、自費診療になります。オーダーメイドで作ること、材料費の高さから、1本でも10万円以上の費用がかかってきます。
よくある質問をご紹介
Q.色の選び方や色の合わせ方は?
色を選ぶときは隣の歯と差異がないように選ぶといいでしょう。前歯を全て取りかえるといった場合は、歯科医院に白さを選ぶシェードガイドというものがあるので、歯科医師と相談して理想の白さを決めましょう。
Q.変色するの?
ジルコニアは変色しませんが、天然歯と同様に着色汚れであるステインは付着します。定期的に歯科医院で歯のクリーニングを受けましょう。
Q.ジルコニアの費用は?
歯科医院によって1本あたりの費用は異なりますが、1本10万円以上、消費税を含めると12万円以上するところがほとんどです。歯科医院が提携する技工士の技術料によっては1本あたり30万円近くすることもあります。費用が安いというだけでなく、安心して治療を受けられる歯科医院で、治療費に関しても相談しましょう。
Q.何か気をつけることは?
ジルコニアの治療を受けたとしても、虫歯にならないわけではありません。歯の定期検診を受けてジルコニアを長く使っていける状態を維持しましょう。
さいごに
ジルコニアは金属にも劣らない強度のある、審美性の高い歯科素材です。汚れもつきにくく、虫歯リスクも低いです。しかし、ジルコニア治療を受けたからといって虫歯にならないわけではありません。歯磨きをサボれば当然、虫歯になって再治療になることもあります。歯周病リスクもあります。ジルコニアを長く持たせるためにも毎日丁寧に歯磨きをして、定期的に歯科医院で検診を受けましょう。