毎日の歯磨きやデンタルフロスなど、自宅でのセルフケアは虫歯や歯周病予防の基本です。しかし、大人になってから「しっかり磨いているつもりなのに虫歯ができてしまった」「歯ぐきが腫れることが増えた」と感じる人も少なくありません。
その理由の一つが、自分では落としきれない歯垢(プラーク)や歯石の存在です。そこで重要になるのが、歯科医院で行うプロフェッショナルケアです。本記事では、プロフェッショナルケアの内容やメリット、そして大人が積極的に取り入れるべき理由をわかりやすく解説します。
プロフェッショナルケアとは?セルフケアとの違い
「プロフェッショナルケア」とは、歯科医師や歯科衛生士によって行われる専門的な口腔ケアのことを指します。日常的な歯磨きやフロスといったセルフケアと組み合わせることで、口腔環境をより健康的に保てます。
代表的なプロフェッショナルケアの内容には以下があります。
- スケーリング:専用の器具で歯石を除去
- PMTC(プロによるクリーニング):歯の表面をきれいに磨き、バイオフィルムを除去
- フッ素塗布:歯質を強化し虫歯予防に効果的
- 歯周ポケットのケア:歯ぐきの中に隠れた汚れを取り除く
セルフケアでは歯ブラシが届きにくい場所や、歯石のように固着した汚れを取り除くことは難しいため、プロによる定期的なケアが欠かせません。
大人がプロフェッショナルケアを受けるべき理由
子どもの頃は「虫歯にならないように歯医者へ」と考える人が多いですが、大人になると歯科医院から足が遠のきがちです。しかし、大人こそプロフェッショナルケアが重要になります。
その理由は主に3つです。
1.歯周病のリスクが高まる
大人の歯を失う一番の原因は虫歯ではなく歯周病です。歯周病は自覚症状が出にくいため、プロによるチェックとケアで早期発見が欠かせません。
2.加齢による口腔環境の変化
年齢を重ねると唾液量が減少し、口の中が乾燥しやすくなります。これにより虫歯や口臭のリスクが増加します。プロのケアでリスクを抑えることが大切です。
3.生活習慣の影響を受けやすい
ストレスや食生活、喫煙や飲酒などの習慣は歯や歯ぐきに大きく影響します。プロフェッショナルケアでは、クリーニングだけでなく生活習慣に応じたアドバイスも受けられます。
このように、大人の口腔トラブルは「気づいたときには進行していた」というケースが多いため、定期的な歯科でのケアが予防のカギとなります。
プロフェッショナルケアを効果的に取り入れる方法
せっかく歯科でプロフェッショナルケアを受けるなら、効果を最大限に生かしたいものです。そのためのポイントを紹介します。
定期健診を習慣にする
3〜6か月に1回のペースで受診すると、虫歯や歯周病の早期発見につながります。
セルフケアと組み合わせる
歯科でのケアを補うために、自宅では正しいブラッシングやフロスを継続しましょう。
生活習慣を見直す
食事のとり方や間食の習慣、喫煙や飲酒などの影響を意識し、改善につなげることが大切です。
歯科衛生士のアドバイスを活用する
自分に合った歯ブラシやケア用品の選び方を指導してもらうことで、セルフケアの質が向上します。
プロフェッショナルケアは単なる「歯の掃除」ではなく、予防と健康維持のための投資と考えると、定期的に通うモチベーションにもつながります。
さいごに
歯科で行うプロフェッショナルケアは、大人にとって欠かせない口腔ケアの一つです。セルフケアだけでは防ぎきれない歯石やバイオフィルムを除去でき、虫歯や歯周病のリスクを大幅に減らすことができます。
「痛みや不具合が出たら歯医者へ行く」のではなく、「トラブルを防ぐために定期的に通う」という発想に切り替えることが、将来の歯の健康を守る第一歩です。
プロフェッショナルケアを習慣にし、セルフケアと組み合わせることで、より快適で健康な口腔環境を手に入れましょう。大人になった今こそ、自分の歯を長く守るための行動を始める時です。