近年、インプラント治療という言葉を耳にする機会も多いですが、実際どんな治療方法か分からないという声も耳にします。
歯を失った部分に行う治療法の一つですが、歯科医院によっては、インプラント治療を強く勧められることもあるかと思います。
しかし、「インプラント治療のデメリットはあるの？」「他の治療と何が違うの？」と気になる方も多いのではないでしょうか？
今回は、歯科のインプラント治療について他の治療との違いやデメリットについて解説していきます。
インプラントってどんな治療？
インプラントとは、失われた歯の部分にチタン製の人工的な歯の根を埋め込み、その上に人工の歯を入れる治療方法です。インプラント治療は見た目と機能面で優れており、自分の歯と同じような見た目を再現でき、食事や会話の際にも違和感はほとんどありません。他の歯にも、負担をかけることもないため、注目されている治療法となります。
入れ歯やブリッジとはどう違うの？
インプラントと入れ歯とブリッジの違いを以下の項目でまとめました。
機能性
インプラント：自分の歯と同じように機能し、噛む力も自分の歯とほぼ同様で優れている。
入れ歯：咬みにくく、会話や発音がしにくくなり、機能性が劣る。
ブリッジ：両隣の歯を利用して欠損部を補うため、比較的安定し、噛む力も自然な歯に近い。
審美性
インプラント：：自分の歯とほぼ同じように見え、きれいな見た目。
入れ歯：自分の歯と異なる。特に、入れ歯のバネの部分が金属なので目立つ。
ブリッジ：金属の素材の場合見た目は異なるが、保険適用外の素材であれば自分の歯と近い。
違和感
インプラント：違和感はほとんどない。
入れ歯：装着時の違和感や痛みが出ることが多くある。
ブリッジ：違和感はほとんどない。
費用
インプラント：保険適用外なので高額。
入れ歯：保険適用なので数千円の負担で済む。
ブリッジ：保険適用の場合は、1本数千円から。自費の場合は医院によって異なるが、1本あたりの値段はインプラントより安価なケースが多い。
隣の歯への影響
インプラント：隣りの歯を削らないので、影響なし。
入れ歯：バネをかける歯への負担あり。
ブリッジ：健康な隣りの歯を削る必要がある。
治療期間
インプラント：6ヶ月～1年
入れ歯：1～2ヶ月(短期間)
ブリッジ：1～2ヶ月(短期間)
インプラントにもデメリットはあるの？
インプラントには多くのメリットがある一方で、デメリットもいくつか挙げられます。
以下の5つのデメリットを説明していきます。
費用が高額
インプラント治療は、保険適用外の治療のため費用が高額となります。治療費は、歯科医院ごとに異なるので、トータルでいくらかかるのかしっかりと確認する必要があります。また、使用するインプラントメーカーや必要な処置によっても異なります。金額で決めるだけではなく、しっかりと納得した上で治療を受けるようにしましょう。
治療期間が長い
インプラント治療は、入れ歯やブリッジよりも治療期間が長くなります。インプラントを埋めた後、骨とインプラントが結合するまでの間、経過をみる時間が必要です。そのため治療が終わるまでには、数ヶ月〜半年程かかることもあります。
お口の仲の状態や歯科医院の治療方針によっても変わるため、事前に通院期間も確認が必要です。
外科処置が必要になる
インプラント治療では、インプラント(人工の歯根)を顎の骨に埋めるために、外科処置が必須となります。妊娠中や全身疾患がある方、持病の薬を服用している方はインプラント治療の適応外の可能性もあります。
感染症のリスクがある
歯にも歯周病という感染性があるようにインプラントにも、「インプラント歯周炎」という病気があります。インプラント周辺の歯肉が炎症し、進行してくると、インプラント周囲の歯肉が腫れ、骨が溶けて、最終的にはインプラントが抜けてしまいます。感染しないためには、定期的に歯の掃除を受け、チェックを受ける必要があります。
定期的なメンテナンスが必要
インプラント治療後は、定期的なメンテナンスが必須となってきます。お家でのセルフケアと、歯科医院でのプロフェッショナルケアの両方が必要となります。インプラントの寿命は、メンテナンスやホームケアの有無で変わってきます。長持ちさせるためには、定期的にメンテナンスを受けましょう。
まとめ
インプラント治療は歯の欠損部分に対して有効な治療法です。しかし、個々のお口の中の状態、顎の骨の状態、全身疾患の有無などによって最適な治療法は異なります。
一人ひとりに適した治療法があり、すべての方にインプラント治療が最適とは言い切れません。かかりつけの歯科医院に相談して、ご自身にとって最適な治療法を選び、納得した上で選びましょう。
