乾燥する季節や声をよく使う仕事の人にとって、「のど飴」は日常的な相棒です。最近は健康意識の高まりから、砂糖を使わない「ノンシュガーのど飴」を選ぶ人が増えています。
「ノンシュガーなら虫歯にならない」と思って安心していませんか？ 実はそれは一部正しく、一部誤解を含んだ考え方です。本記事では、ノンシュガーのど飴と虫歯の関係をわかりやすく整理し、意識しておきたい正しい口腔ケアのポイントを解説します。
ノンシュガーのど飴とは？飴でも虫歯にならない理由がある
まず「ノンシュガー」の定義を確認しましょう。食品表示基準では、100g（または100ml）あたり糖類0.5g未満であれば「ノンシュガー」「無糖」「シュガーレス」と表示できます。つまり「糖類ゼロ」ではなく、「ほとんど含まれていない」という意味です。
ノンシュガーのど飴には、砂糖の代わりにキシリトール・ソルビトール・エリスリトールなどの糖アルコールや人工甘味料が使われています。これらは虫歯菌（ミュータンス菌）が分解して酸を作ることができないため、砂糖入りの飴に比べて虫歯になりにくいという特徴があります。
つまり、「飴なのに虫歯にならない可能性がある」のがノンシュガーのど飴の魅力です。
ノンシュガーでも虫歯ゼロとは限らない
「ノンシュガーのど飴＝虫歯にならない」と思い込むのは危険です。実際には、いくつかの注意点があります。
だらだらなめ続けると口内環境が酸性に傾く
唾液の働きが弱まり、口腔内の自浄作用が低下する。
果汁や酸味料を含むノンシュガー飴は酸性度が高いこともある
酸による「酸蝕歯（さんしょくし）」のリスクがある。
人工甘味料は虫歯菌を活性化しにくいが、歯に付着すればリスクはゼロではない
つまり、ノンシュガーのど飴は「虫歯になりにくい」ものの、「全く虫歯にならない」わけではないのです。とくに大人の場合、加齢によって歯ぐきが下がり、歯の根元（象牙質）が露出していると、象牙質はエナメル質よりも酸に弱く溶けやすいため、虫歯リスクが高まります。
おすすめのノンシュガーのど飴の使い方と口腔ケア
のど飴は喉の乾燥対策やリフレッシュに役立ちますが、正しく使うことが大切です。虫歯や歯のトラブルを防ぐために、意識したいポイントを紹介します。
- だらだら食べず、1粒ごとに時間を区切る
- 就寝前の摂取は避ける（寝ている間は唾液が減少するため）
- なめ終わったら水やお茶で口をすすぐ
- 歯磨きは夜寝る前に必ず行う
- 「キシリトール100％」表示の商品を選ぶとさらに安心
さらに、定期的な歯科検診も忘れてはいけません。虫歯になりにくいノンシュガーのど飴を使っていても、口腔ケアを怠ればリスクは残ります。
さいごに
「ノンシュガーのど飴なら虫歯にならない」というのは、一部正しく一部誤解を含んだ考え方です。確かに砂糖を含む飴より虫歯リスクは低いですが、だらだらと長い時間なめる場合や、酸性度の高い成分が含まれている場合は注意が必要です。
意識すべきなのは「甘味料の種類」だけでなく、「食べ方」と「口腔ケア習慣」です。ノンシュガーのど飴を上手に選び、正しく取り入れれば、喉のケアと虫歯予防を両立できます。
のど飴を味方にしつつ、虫歯にならない口腔環境を整える。それがスマートな健康習慣といえるでしょう。
