あ!あの人の笑顔素敵だな!
と思った時、その人の口元を見てみてください。
歯並び良く、あるいは多少乱れがあったとしても、綺麗な白い歯をお持ちではないでしょうか。
歯の白さは笑顔の印象を大きく左右します。その他、若々しさや知的な印象も与えてくれます。
さて、その歯の白さですが、加齢や食べ物の影響に伴い、徐々に黄色がかっていきます。
とくに日本人は口腔ケアに対する意識が欧米に対して遅れているといわれていて、歯に濃い色が沈着している方が多く見うけられます。
そういった歯を白く改善しようと思ったら、「クリーニング」と「ホワイトニング」という二つの方法が考えられます。余談ですが、神経を取ってしまった歯には、「ウォーキングブリーチ」という方法もあります。
「クリーニング」は、歯の表面に付いた歯石、プラーク、茶渋、ヤニなどを機械的に除去する方法。それだけでは取りきれない歯質にしみ込んだ着色を化学的に分解するのが「ホワイトニング」です。
「ホワイトニング」では、歯本体の色が白くなるので、歯の表面汚れを除去する「クリーニング」とは基本的には別なものです。
「ホワイトニング」の前に、当然「クリーニング」が必要ですので、ホワイトニングは第2のステップとお考えください。
ホワイトニングは歯科医院やホワイトニングエステで施術を受けることができます。
しかし、一度漂白すれば一生そのまま、というわけではなく、時間が経つと色戻りしてしまいます。
色戻りするまでの期間は、色が付きやすいものを食べる頻度、歯磨きの仕方や回数、さらには歯の再石灰化の能力に左右されるので個人差が大きく、一概には言えませんが半年~1年程度と言われています。
そのため、ホワイトニング効果を保つには、半年~1年ごとに通うのが一般的です。
では、施術の特徴や気を付けるべきことを詳しく見ていきましょう。
歯の白さは16段階
歯の白さは、ドイツのVITA社のシェードガイド(歯の色見本)を用いられることが一般的で、16段階に分類されています。シェードガイドとは、ホワイトニングや詰め物・被せ物をする際に使用する歯の色見本(カラーガイド)のことで、歯の色、明るさを一覧にしたものです。
シェードガイドでは歯の色は、次の4グループに分類されます。
Aタイプ:赤味を帯びた黄色。日本人に一番多くA3~A3.5が標準的です。
Bタイプ:Aタイプの次に日本人に多く黄色系。
Cタイプ:グレーがかった色で、最もホワイトニング効果が出にくい
Dダイプ:赤みを帯びたグレー
さらにグループ内で明度で分けられ、番号が高いほど色が濃くなります。

日本人の平均的な色味はA3だといわれ、比較的色が濃いほうに分類されています。
一般的にはA1ぐらいまで白くなると誰が見てもきれいな印象を抱く自然な色味だといえるでしょう。そのため、この色を目標にしてホワイトニングしていきます。
まず、自分の今の色味を確認して、シェードガイドを参考に何段階白くしたいのかを考えてみてください。それによって、ホワイトニングに必要な期間が異なります。とはいえ、必ずしもみなさん一様にこの色になるというわけではありません。
どのぐらい白くすることが可能そうなのかとか、かかる期間あるいは注意点などを知るためにまずは歯医者さんに相談しましょう。
適切なアドバイスをもらい、予算や期間などを含めて検討していくといいでしょう。
ホワイトニング治療の種類
ホワイトニング治療には大きく分けて「オフィスホワイトニング」と「ホームホワイトニング」の2種類があります。
オフィスホワイトニングは歯科医院(オフィス)で、ホームホワイトニングは治療キットをもらって自宅(ホーム)で施術を行います。
治療の進め方が大きく異なり、双方メリット・デメリットがあります。
オフィスホワイトニング
歯科医院で行うホワイトニングです。
院内での施術なので高濃度の薬液を使用でき、さらにレーザーなどを当てて薬剤の効果を高めるため、多くの場合、一度の施術ですぐに白さを実感できます。
ただし、治療できる範囲は前歯を中心に見える範囲にとどまります。
また、短期間で歯を白くすることが出来るというメリットがある反面、短期間で色の後戻りが起こりやすいというデメリットもあります。
施術後24時間は歯に色が付きやすくなっているので色が付きやすいものを食べたり、口紅を塗るなどの化粧を控える必要があります。
もともとの歯の白さ、どれぐらい白くしたいのかによって治療回数は異なります。
歯科医院にある治療器具の種類にもよりますが、2回、3回と治療を受ける方が多いようです。
初回の治療後は、半年~1年ごとに通うのが一般的です。
ホームホワイトニング
歯科医院で型取りし、治療キットをもらい、自宅でホワイトニングを行います。
マウスピースに専用の薬剤を入れ、1~2時間歯に装着するものや、装着したまま一晩過ごすものがあります。
歯科医院での滞在時間は短くて済みますが、薬剤の濃度はオフィスホワイトニングに比べて低く、歯が白くなる速度はゆっくりです。
その代わり、メイクの制限はありません。しかし、ホワイトニング後の飲食には注意が必要です。
初回の治療では、もともとの白さにもよりますが、およそ2週間ほど毎日ホワイトニングを繰り返すことで徐々に白さが増していきます。
一度白くなった後は、気になったときに再び行う方が多いようです。
生活習慣や、歯の再石灰化の能力によって左右されますが、適切にメンテナンスできている方であれば、月に1回も行えば、十分な白さを維持できるでしょう。
ホームホワイトニングは手軽に行えるので、白さを長く保ちやすいという印象です。
一般的にはオフィスホワイトニングは半年~1年に1回、ホームホワイトニングは月1回程度で十分白い歯を維持できます。
しかし、コーヒーや紅茶など、色が沈着しやすい飲食物を食べる頻度が高かったり、たばこを吸う習慣があると色戻りするまでの間隔が短くなります。
白い歯を長持ちさせるためには、食事後のこまめな歯ブラシやうがい、禁煙など口腔ケアに努めることが重要です。もちろん歯科医院への定期検診でのケアもお忘れなく。
ホワイトニングで注意したい点
正しい方法さえ守れば、削ったり、傷つけたりすることなく歯を白くできるホワイトニングですが、一方で注意したいポイントがいくつかあります。
まず注意したいのが、ホワイトニングできるのは自分の健康な歯に限られることです。
インプラント、ブリッジ、クラウンを白くすることはできません。
周りの歯が白くなることで、治療した歯が目立ってしまうことがあるという点を知っておきましょう。
神経が死んで変色してしまっている歯や灰色に変色している歯もホワイトニングすることはできますが、健康な歯に比べて時間と回数がかかります。
また、歯並びが悪く、陰になっている部分は漂泊できません。一方、矯正中も器具の陰になる部分ができるため、漂泊できません。虫歯がある場所にも薬剤を塗布できません。
奥歯に虫歯があるから前歯だけを漂泊する、ということはできますが、ホワイトニングを受ける前に一度歯医者さんで診察してもらいましょう。
ホワイトニングは頻度を高めれば効果が出るのも早くなります。一方、歯の質によっては知覚過敏を引き起こすこともあります。
適切な治療ペースは先生との相談で決めましょう。
ホワイトニングを受ける前に、まずはクリーニングを
お茶、紅茶、コーヒー、ワインなどの飲食物に含まれる色素、あるいはたばこのニコチンが歯に沈着すると、ステインと呼ばれる汚れやくすみになります。
ステインは毎日のセルフケアである程度取り除くことが出来る他、どうしても付いてしまった分は、歯科医院でのクリーニングで落としていくことができます。
定期的なクリーニングで、ホワイトニングの効果を長持ちさせることもできます。
ホワイトニングを含めた審美歯科は健康保険の対象にならず治療は高価になりがちですが、簡単なクリーニングは基本的に保険診療が可能です。
まずはクリーニングを試してみてから、ホワイトニングに移行するのか担当の先生と相談するといいでしょう。